【033】脱「ひとり勝ち」文明論
「朝日新聞 2009.07.26 朝刊」より。
地球人口の約1割の先進国だけが裕福な生活を享受できた「ひとり勝ち」の文明から、70億人が等しく豊かになれる21世紀の文明へ – 今こそ思い切った転換が必要で、その鍵を握っているのが、太陽光発電と電気自動車・・・そして、そうした新文明を先導できる立場にある、とした書評が掲載されている。
脚注:[1]
清水浩(シミズヒロシ)
1947年宮城県生まれ。東北大学工学部博士課程修了。国立公害研究所、アメリカ・コロラド州立大学留学。国立公害研究所地域計画研究所室長。国立環境研究所地域環境研究グループ総合研究官などを経て、現在、慶応義塾大学環境情報学部教授。30年間、電気自動車の開発に従事。2004年、ポルシェ並みの加速力をもつ「未来のクルマ」Eliica(エリーカ)を誕生させる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【追記:2009年08月26日】
「asahi.com(朝日新聞社)::【レビュー・書評】:脱「ひとり勝ち」文明論 [著]清水浩」より引用。
「100年に一度」の経済危機や環境問題など、不安を煽(あお)るニュースの洪水に、つい悲観的になってしまうこのごろ。「未来はこんなに明るいのだ!」という帯に惹(ひ)かれて、本書を手にした。
私たちを襲う閉塞(へいそく)感の原因は、100年以上前に生まれた科学技術を使い続けているから。地球人口の約1割の先進国だけが裕福な生活を享受できた「ひとり勝ち」の文明から、70億人が等しく豊かになれる21世紀の文明へ――今こそ、思い切った転換が求められているのだ。
その鍵を握るのが、太陽光発電と、著者が30年にわたって開発してきた電気自動車である。
例えば、砂漠の面積の約7%に太陽電池パネルを貼(は)れば、人類全体に十分なエネルギーを供給できる。結果、温暖化やエネルギー問題、貧困すら解決するという。
[評者]梶山寿子(ジャーナリスト))
楽天的な未来予想図に思えるが、論の展開には説得力がある。事実、著者の講義を聴いた高校生の9割が、「これから世の中はどうなるか?」との問いに「良くなる」と答えたとか。講義前は7割が「ダメになる」と答えていたというから驚きだ。「誰もやろうとしないが、やれば必ず成果が出る方法」を探し当てる発想法にも瞠目(どうもく)。曇り空に薄日が差す思いがした。
日本は、この新文明を先導できる立場だが、ぼんやりしていると好機を逃す。大胆な政策やビジネスモデルの登場が待たれる。



