脳科学理論から、「集中力」を増すための3つの仕掛け

2010 年 2 月 14 日 | カテゴリー: テニス:知識, 雑学 | タグ: ,

勝負脳勝負脳サポート私が初めて脳科学に巡り合ったのは、2007年の夏を過ぎた頃だった。それまでは、心理学の中の特にスポーツ心理学に興味があって、自分なりに相当数の書籍を読み終えていた。しかし、どうしても心理学は「統計学」としての展開が多く(中には、宗教的だったり、オカルト的だったり・・・)、科学的な論点に欠けている内容も多々あったため、「大丈夫なのかな、心理学はこんなことで・・・」なんて感じていた時だった。

ふらっと立ち寄った書店で、林成之著「<勝負脳>の鍛え方」(講談社現代新書:2006年10月)勝負脳サポート2という新書を見つけ、立ち読みしていると、その科学的なアプローチに時間を忘れて読みふけってしまった・・・当然、購入して必死に、それでいて真剣に読了した。以前のブログでもこの新書を御紹介させて頂いたので、記憶されている本ブログの閲覧者もいらっしゃるかもしれない。

その後、この新書の著者である林氏は、金メダリストである北島康介選手に「脳科学」の観点から勝負に勝つためのアプローチを伝授したのは有名な話だが、私は、それ以前に「勝負脳」を知ったことになる(ちょっとした自慢です!)。

そんな林氏の脳科学的なアプローチが「Yahoo!ニュース(プレジデント)::脳科学理論が解説。「集中力」が増す3つの仕かけ」として公開されているので、自分用にも記録しておこう。

まずは、集中力を増す3つの仕掛けとして、以下の3点をリストしている。

  1. ゴールを決めないこと!
  2. コツコツやらないこと!
  3. 結果を求めないこと!

上記リストに関しては、詳細な説明があるのでそれも合わせて掲載しておく。

ゴールを決めないこと!

まずは、リストの最初、「ゴールを決めないこと」に関して重要なメッセージが説明されている。

脳の機能は「ゴール間近だ」と思った瞬間に低下し、それに伴って運動機能も低下するのだ。脳の自己報酬神経群という部位の仕業である。

自己報酬神経群とは、その名の通り「自分へのごほうび」をモチベーションに働く部位であり、この部位が活発に働かないと脳は活性化しない。重要なのは、活性化はごほうびが得られたという「結果」によって起こるのではなく、ごほうびが得られそうだという「期待」によって起こる点だ。ごほうびが得られた、つまり結果を手にしたと思うと、むしろ脳の機能は低下してしまうのである。

集中力を持続するには、この脳の仕組みを利用すればいい。ゴールの仕方に集中する。あるいは、目標よりも遠くにゴールを定めるのだ。そうすれば、実際のゴールの手前で脳のパフォーマンスが落ちることはなくなる。

上記から、北島選手は、「壁にタッチした後、振り向いて電光掲示板を見た瞬間をゴールだと考える訓練を重ねた」ということである。

コツコツやらないこと!

この事項は、以下の説明によっては「コツコツ」という表現の方法に問題がありそうである。

脳には自己保存本能がある。文字通り「自分を守りたい」という本能だ。より根源的な脳の3つの本能、すなわち「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」のうち、「生きたい」という本能から派生してくる、第二の本能である。

コツコツ努力するとは、一歩一歩着実に努力しようということであり、この言葉の背後には、「失敗しないよう慎重に事を運ぼう」という意識が隠れている。失敗すると自己保存が危うくなる。だから失敗しないように、コツコツやろうというわけだ。

自己保存本能は人間にとって大切なものだが、「失敗するかもしれない」という否定語は、この自己保存本能に過剰反応を起こさせて、脳の働きにブレーキをかけてしまう。それゆえ、コツコツやるという人は、自分が現在持っている以上の力を発揮することが難しいのである。

反対に、とても到達できそうにない目的に向かって一気にかけ上がろうと考えると、脳は信じられないほど高いパフォーマンスを示してくれる。つまり、実際は長距離走の場合でも、短距離走のつもりで全力疾走を繰り返すことで、あるところから人間の能力はぐーっと伸びてくる。

そして一気、一気でダッシュを繰り返して、ふと気付くと、到底超えられそうもなかった壁を突破しているものなのだ。そんな人のことを世間は、異様な集中力を持った人と呼ぶ。

結果を求めないこと!

個人的には、最もこの事項が重要だと感じている「結果を求めない」ことは、選手にも言えるが、我々のような選手周辺の関係者も認識しておく必要がありそうである。

脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という3つの根源的な本能がある。この3つの本能に逆らうことをやると、脳のパフォーマンスは急激に落ちる。そして「敵に勝つ」は、「仲間になりたい」という本能に真っ向から逆らう考え方なのだ。(中略)

「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。自分を高めるためのツールだと思いなさい。そして、最後の10メートルをKゾーン(北島ゾーン)と名づけて、水と仲間になり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」

(中略)

結果を求めるあまり能力を発揮できない愚を避けるには、目標達成の「仕方」にこだわるのがいい。勝負に懸けるのではなく、達成の仕方に勝負を懸けるのだ。そして、損得抜きの全力投球をする。

結果を求めず、達成の仕方に全力投球するとき、人間は信じられない集中力を発揮する。ポイントは、「損得勘定抜きに」だ。損得勘定とは、実は、結果を求める気持ちにほかならないからである。

いよいよ、千葉県ジュニア、全国選抜など重要な大会が迫って来た・・・「脳科学」の成果は、いったいどうなるのか・・・

  1. VIN
    2010 年 2 月 14 日 19:24

    面白いですなぁ。
    特に、二つ目がいい。
    目標を高く持った方が伸びるというのは、いいとらえ方ですね。

    • Cha
      2010 年 2 月 15 日 03:05

      「脳科学」に関する書籍を読んでいると、「うっそ~」というような内容が多々出てきて面白いですよ。